今日の療育、一人めは4歳の子。言葉はほぼ発しない。
ブランコ、滑り台(大)、滑り台(小)、バランスボード、クッション。5-10分ずつ、繰り返し繰り返し遊ぶ。
その様子を作業療法士が詳細に覚えていて、保護者に全て伝える。 pic.twitter.com/bB6uZtV11f— 山田拓路 (@takuji85) May 18, 2017
上は療育の合間をぬって書いたツイートです。
作業療法士の伝え方が丁寧
作業療法士(occupational therapist、略称: OT)がセッション後に療育内容を保護者に伝達していたのですが、その丁寧さが印象に残りました。
カナダ・バンクーバーの療育(セッション)は多くの場合1対1で行われます。それゆえ全ての行動内容を細かく覚えていられるのかもしれません。
また、以前のブログでも紹介したとおり、OTは「ダメ・危ない」をほとんど言いません。
大きな滑り台も小さな滑り台も、すごい速さで滑ったり、転がり落ちてみたり。それを「危ないよ、気をつけて」と声かけするのではなく、むしろOTが一緒になって 同じことをします。
すると子どもは「ぼく/わたしならもっとできるよ!」と言って、さらに新しいことをしてみようとする。その繰り返しが心の発散と刺激になっているようです。“引き出し方”がうまいと思いました。
遊びのルーティンが決まっている子ども
毎週必ずこの「Cars」のパズルを最初から完成までこなすことがルーティンになっている子もいます。もちろん毎回やっていますから、ピースの配置も頭に入ってきていて、だんだん早くできるようになっていきます。この子を担当する施設長さんが「おい、このピースはここだろ」って答えを言いまくりながらも、毎週毎週ずっといっしょになってパズル(ルーティン)に付き合っている姿が「プロだな」と思わされます。
きっとこの子にとって「毎週、施設長さんといっしょにパズルをやってからジムで思い切り身体を動かす」というルーティンが、心を安定させる材料になっているのでしょう。そして、その毎回ほとんど変わらないようにも見えるパズル遊びの中に見られる小さな変化を、施設長さんは保護者に伝えていました。
しかし、その日に何をしたか、できるようになったかという内容よりも、むしろ保護者にとっては「うちの子をこんなに真剣に見てくれる人がいる」ということが何よりの励ましになるのだと思います。
この施設に来る子どもの保護者は一様に疲れた表情をしています。多動傾向のある子どもを育てることの苦労がうかがえます。そんな保護者たちにとっても、この療育の日が週に1度の安心を得られる日になっているのかも知れません。
明日もこの施設にうかがおうと思います。