カナダのコレクティブインパクト – NPOエバーグリーンとウォルマート・トヨタ・オンタリオ州

この動画は、カナダ・トロントにあるNPO〈エバーグリーン〉のCEOへのインタビューです。

 

日本語字幕がなくて、僕としては分かったような分からないような感じではありますが(笑)

 

エバーグリーンは、ドンバレーという河川敷にある元レンガ工場の建物を受け継ぎ、大都市トロントの市民と自然をつなぐ施設へと生まれ変わらせた、ということです。

 

この動画のポイントは、6:55あたりから始まるウォルマートとのコラボレーション(協働)です。

 

ウォルマートは大量消費社会の象徴みたいな存在のスーパーマーケット。環境系NPOのエバーグリーンがこのウォルマートと協働することは、支持者の反感を買うおそれもある、いわばリスキーな選択でした。

 

しかしCEOのジョフは、

「毎日毎日ウォルマートには何百万というカナダ人が出入りしているのが現実です。何百万ですよ。ウォルマートとの協働は、地元の小さなコーヒーショップとの協働とは比べ物にならないくらい大きなインパクトを生み出します。社会変革を語るなら、それは重要なポイントでしょう。」

 

カナダでは、NPOのこうした考え方は歓迎されているようです。

 

一方、日本ではおそらく、(とくに老舗のNPOであればあるほど)この考え方に賛同できない人も少なくないはずです。

 

もちろん、何が正しいやり方かは、それぞれのNPOが考えて実践すればいい話。

 

ただ、日本のNPOには、こうした視点が欠けているのではないかという指摘はしばしばなされています。

 

以下は過去の記事ですが、興味があればお読みください。

 

collective impact−collective fundraising 〈FRJ2017〉

 

スモール・イズ・ビューティフルは、間違っていない。しかしそこに縛られすぎると、本来めざすべき社会変革がいつまでたっても達成できないではないか、ということです。

 

 

なお、このカナダのNPOエバーグリーンは、これまでの12年間でトヨタから280万カナダドル(2億5千万円)以上の寄付を受けて、学校や保育園に環境教育の機会を提供しているそうです。その機会に与った子どもの数は100万人以上。

 

エバーグリーンのウェブサイトからの引用です。

Toyota Canada Inc. and its Dealerships

For more than 12 years Toyota has partnered with Evergreen through the Toyota Evergreen Learning Grounds program to distribute more than $2.8 million in grants to over 2,350 schools and day cares across the country. With Toyota’s support, these schools have been able to implement greening projects on their grounds, impacting over one million students and 98,000 school faculty members to date—and for generations to come.

https://www.evergreen.ca/about/supporters/

 

そして、かれこれ25年以上、トロント市が属するオンタリオ州との協働関係を築き続けているとのこと。

 

 

カナダのNPOが日本系企業と協働関係を結び、さらに行政とも関係を築いて、大きなインパクトを生み出している。

 

僕たち日本のNPOセクターが学べることは、きっと多いはずです。

 

 

以上、カナダのコレクティブインパクト(NPOエバーグリーンとウォルマート・トヨタ・オンタリオ州の協働)のご紹介でした。