移民都市トロントの移民難民支援NPOで、地域の人びとの声を聴いてプログラムに反映させるための集まりが開かれました。
Community Reference Group Meeting(コミュニティ・レファレンス・グループ・ミーティング)
まずはみんなでピザをいただきます。
うまい。
集会が終わってから食べるのが普通じゃないかなぁという気がしないでもないですが、こういうウェルカムの雰囲気があるホスピタリティはたいせつですね。
クライアント・センタード。
クライアントが真ん中にあって、事業計画などはクライアントの存在に沿って組み立てられるのだ、という話です。
事業計画を立てるときにSWOT分析(自社の強み・弱み、環境の機会・脅威の分析)というのをするのがカナダのNPOではあたりまえなのですが、その「強み」や「弱み」に、こういったクライアントの生の声を反映させていきます。
そうすることで、理事会など上層部の独り善がりの事業計画ができてしまうことを防ぐことができます。
この場で話された内容はドキュメンテーション(書き起こし)され、それが匿名の状態で、直接、理事会にわたされることになっています。
匿名なのは、忌憚ない意見の発言をうながすためです。
プログラムのクライアント(エンドユーザー)の声というのは、それだけ重視されています。
このコミュニティ・レファレンスは、年に3−4回開かれます。
今日は10人以下の小グループでのミーティングでしたが、普段は15−20人くらいの参加者があるそうです。
以前出された、「メンタルヘルスに関するプログラムの充実を」という声に基づき、実際にメンタルヘルスを扱う他のNPOとの協働を始めるなど、人びとの声はきちんと実際に活かされているとのことです。
こうした繰り返しにより、高い顧客満足度が保たれているんですね。
なお、その顧客満足度は他の指標と併せて、アニュアルレポート(年次報告)に掲載されています。
参照:http://accessalliance.ca/annualreport/
素晴らしい取り組みですね。
ただ、ぼくもこのミーティングに参加して、以下の2つのことを感じました。
・2−3人の発言がほとんどを占め、多様な意見が汲み上げられているとは言いがたかった。
・ぼくはクライアントとしてもボランティアとしてもこの組織と関わっているが、ボランティア中に感じた改善点(例:LGBTQフレンドリーを謳うわりにメンバーシップ申込書に男女欄しかない、スキャンサービスや限度以上のプリントアウトサービスの利用への要望、等)も同じく有用だろうと自分では感じているので、それを汲み上げる仕組みが必要。
自分が組織運営するときは、もちろんこのレファレンスのようなシステムを取り入れたいですが、上記の改善点を意識したものにできたらと思います。
以上、コミュニティ・レファレンス・グループ・ミーティングについての紹介でした。