「実は自分が一番支えを必要としている」 それを自覚した人

重い病を抱えていても、自宅で療養して最期の時を迎えたい。そんな患者たちの望みをかなえているのが神奈川県横浜市にある在宅療養支援診療所の院長・小澤竹俊だ。

NHK プロフェッショナル 仕事の流儀

第317回 2017年3月6日放送
わが家で穏やかに、最期を導く
訪問診療医・小澤竹俊

悩んだ小澤は、31歳の若さで、まもなく命を終えようとしている患者を支えるホスピス医に転身することを決めた。
しかし現実は厳しかった。「生き続けたい」という、決してかなえることができない希望。支えようとしている相手から突きつけられる「はやく死にたい」という言葉。小澤は5年近くもの間、もがき続けた。
そんななか、小澤は「無力でよい」というひらめきを得る。「力になりたいという気持ちを決して忘れてはいけない。その気持ちがありながら“力になれない自分がそこにいてよい”と思える」という境地だった。これが転機になり、小澤は自らのスタイルを築き上げていく。

出典:
http://www.nhk.or.jp/professional/2017/0306/index.html

そんな物語です。

そして、この番組で定番になっている「あなたにとってプロフェッショナルとは何だと思いますか」、という問いに、小澤先生はこう答えました。

「自分の弱さを認めながら、逃げないこと。そのために求められるのが『支えようとする私こそ、実は一番支えを必要としている』、それを自覚した人がプロだと思います。」

いろんな支援活動や教育活動なんかに携わる人から「支えているようで、実は支えられていると思った」というお話はよく聞きます。実際、僕もそう思ってきました。

でも、この先生がおっしゃったのは、

「実は自分が一番支えを必要としている」という言葉でした。

 

「支えているようで自分も支えられているんだなぁ」

という程度ではなく、

「支え、つまり相手の存在がなければ、自分は到底やっていけない、生きていけない弱い存在」ということを自覚できるかどうかがポイントである、ということだと思います。

私も、これまでの経験を通して、働く中で出会ってきた人たちに、「支えられてきた」という程度ではなく、「その人たち無しでは生きていくのも難しかった」ということが分かった気がしています。

 

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