セイバーメトリクスはNPOファンドレイジングにも活かせる思考『マネー・ボール』(Moneyball)

この映画の邦題に添えられている副題「不公平なゲームに勝利する技術」。

 

セイバーメトリクスは、アメリカ大リーグの弱小球団オークランド・アスレチックスが、少ない予算で多くの勝利を勝ち取った、統計学に忠実に基づいた手法です。

 

こうしたゴールを的確に設定し、数字に忠実に物事を進める方法は、投資にしろビジネスにしろNPOにしろ、リソースが限られた者にとっては生き残る数少ない手段のひとつではないかと思うのです。

 

 

セイバーメトリクスとは

ビーンは野球を「27個のアウトを取られるまでは終わらない競技」と定義し、それに基づいて勝率を上げるための要素を分析した(野球を統計学的手法をもって分析することをセイバーメトリクスと呼ぶ)。

過去の野球に関する膨大なデータの回帰分析から「得点期待値」というものを設定して、これを上げるための要素を持つ選手を良い選手とした。

具体的に述べると、出塁して長打で得点することが最も効率的である。

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/マネーボール

 

 

この物語が実話であることに、心底驚かされました。

ブラッド・ピットが演じる主人公のビリー・ビーンは実在のマネージャーです。

 

そして2002年、彼の属するアスレチックスは20連勝を含む年間103勝を挙げました。

 

それ以降、メジャーリーグの選手の評価の仕方が大きく転換したとも言われています。

 

 

数字が野球を変えた。

数字がスポーツビジネスを変えた。

 

しかし、数字がそれまでの古い慣習、迷信めいたものを打ち崩した例は枚挙に暇がありません。

 

 

ビジネスにおける数字の重要性については、この本に詳しく書かれています。

 

 

75人で100人に勝つ方法「選択と集中」

以下の条件のとき、75人のグループが勝つ方法は?

 

  • 75人の兵隊と、100人の兵隊の2グループが戦う。
  • 戦場は5ヶ所。
  • 1人あたりの戦力は同じ。

 

普通に15人ずつを5ヶ所に均等に配置したら、20人ずつを配置できる100人グループが5ヶ所全ての戦場で勝ち、圧勝するでしょう。

 

15-20 ☓

15-20 ☓

15-20 ☓

15-20 ☓

15-20 ☓

 

 

しかし、もし75人のグループが、2ヶ所を諦めて残りの3ヶ所に全力を注いだらどうなるか?

 

0-20 ☓

0-20 ☓

25-20 ◯

25-20 ◯

25-20 ◯

 

75人のグループは勝てるのです。

 

リソースが少ない者が、選択と集中をし、戦略を限界まで突き詰める必要があるのは、こうしたことがあり得るからです。

 

リソースが足りなくても、勝つことは可能。

 

 

「お金がない、人がいない」というリソース不足を嘆くことが癖のようになっているNPO業界に、一石を投じ得るアイデアでと言えるでしょう。

 

 

 

Lenka “The Show” レンカ「ザ・ショー」日本語翻訳

ところで、映画の中に出てきた少女の弾き語りが印象的だったので、ご紹介します。

 

 

I’m just a little bit caught in the middle

わたし今 困ってるの

 

Life is a maze and love is a riddle

人生は迷路 恋は謎々

 

I don’t know where to go, can’t do it alone

どうしよう 一人ではムリ

 

I’ve tried and I don’t know why

やってはみたけど

 

I’m just a little girl lost in the moment

わたしは 戸惑う女の子

 

I’m so scared but I don’t show it

怖いけど 澄まし顔

 

I can’t figure it out, it’s bringing me down

答えが見えない それって落ち込む

 

I know I’ve got to let it go and just enjoy the show

でも そんなの忘れよう そして楽しもう

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イチローが立ちはだかる

映画「マネーボール」の中に一瞬ですが、イチロー選手(当時シアトル・マリナーズ所属)が登場しました。

 

 

主人公のビーンが属するアスレチックスの前に立ちはだかる壁として描かれています。

 

アカデミー賞候補にもなる映画に、至って自然な形で登場するイチロー選手。

 

野球や映画というアメリカ文化に少なからぬ影響を与えていることが垣間見える瞬間でした。

 

 

 

 

こうした見どころが多くあるだけでなく、例えばビジネスやNPOファンドレイジングにおける学びも得られると考えれば、じつに豊かな魅力のある作品だと思います。

 

 

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以上、『マネー・ボール – 不公平なゲームに勝利する技術』(Moneyball) のご紹介でした。