このTEDトーク、「幸せになるために成功する」のではなく「成功するために今の幸せに気づく」ことが大切、という内容だと解釈します。
しかし、この話はただの「成功論」ではないようにも感じるのです。むしろ「幸福論」。
人生をより良いものにする方法は、幸せを見出すトレーニングを重ねることだ ―
このTEDは、あるいは軽い鬱にさえ効く力を持っている、かもしれません。
まずは、トークをご覧ください。
以下は、トーク内容の一部抜粋です。
ほとんどの企業や学校で 考えられている成功の法則は 「一生懸命がんばれば成功できる 成功すれば幸せになれる」というものだということです。 (略)
これの問題は 科学的に間違っており 逆だということです。
我慢が美徳という文化の日本においては、研究者の方に「科学的に間違っている」と言われるとちょっとビビってしまいますね。
「一生懸命頑張る→幸せ」という公式は、私も含む少なからぬ日本人が信じて疑わないことでもあるのに。
幸せが成功の向こう側にあるのなら 脳はいつまでもたどり着けません。
私たちがしてきたのは 社会が一体となって 幸せを認知できる範囲外に追いやるということです。
それは私たちが「成功したら幸せになれる」 と考えているからです。
でも私たちの脳はそれとは逆の順に働くのです。
受験勉強やら就活やら残業やら、血反吐をはきながら頑張る日本人の幸せは、どんどん逃げてしまっている、いやむしろ自分自身で遠くに追いやってしまっている、というのです。
脳がよりポジティブになるよう 訓練する方法を私たちは見つけました。
ほんの2分半でできることを21日続けるだけで 脳の回路を書き換えて より楽観的でより成功するように 脳が働くようになります。
おお、それは大事だ。ぜひ教えてもらいたい。
ありがたく思うことを毎日新たに 3つ書くというのを21日間続けましょう。
それを終える頃には 世の中にネガティブなものではなく ポジティブなものをまず見つけようとするパターンが身につきます。
どっかで聞いたことある話だなと思わなくもないですが、しかしこれ科学的根拠がある行動なんですね。知らなかった。
このような活動をすることで 体同様に脳だってトレーニングできます。
そして幸福と成功の法則を反転させ ポジティブな波紋を広げるだけでなく 本当の革命を生み出すことができるのです。
ポジティブシンキングも、筋トレやランニングと同じように、トレーニングすれば身につく力なんですね。この「トレーニングすれば身につく」と知っていることって、結構大事ですね。
しかし、この話で重要なのは、「成功するためにポジティブシンキングを身につけよう」ということだけではないと思うのです。
なぜなら、人生の目的は、成功することではなく、幸せを感じることそのものだから。
ゴールを「成功」に設定してしまったら、いくらポジティブシンキングのトレーニングを重ねて成功に辿り着いたとしても、結局次の成功を再び設定してしまい、幸福を逃してしまいかねません。
幸福を感じることが人生の目的である。
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その幸福を感じるためには、まず日々の人生における幸福を見出す(自覚する)トレーニングを積む必要がある。
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幸福を見出す力がついてきたら、それは多くの場合あなたの人生によりポジティブな結果を招いてくれる。
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そして、よりポジティブな環境に自分の身をおくことができるようになれば、幸福を見出すことは容易になり(自覚できる幸福の量が膨らみ)、それによってさらにより良い環境が与えられ、見出し感じられ幸福がまた増える。
これは幸福の連鎖といえるでしょう。
幸福をちゃんと見出して自覚するトレーニングを積むこと。
それによって、このTEDスピーカー・ショーンが言うとおり、自分の人生に幸福の連鎖が広がる革命が引き起こせる、かもしれません。
鬱の時、それがあまりに重い症状であれば医者に診せるべきですが、それほどでもないものの、軽い躁鬱を繰り返す傾向がある人(非常に多いと思います)にとっては、この幸福の連鎖という考え方は「使える」と思うのです。
ちょっとした人間関係だとか天気だとかに左右される状態を放っておくと、すぐネガティブ連鎖に取り込まれるでしょう。
それを意識的にトレーニングすることによって、ポジティブな幸福連鎖に変える。
やってみる価値のあることではないでしょうか。