『幸せのレシピ』(No Reservations) コピーライターと翻訳者の技が効いたタイトル – 「の」の法則

予告編にも出てくるクライマックスシーンのセリフ、

 

「幸せのレシピは君の中にある」。

 

 

主人公ケイトの「何が正しいことか教えてくれるレシピがあったらいいのに」という問いかけに対し、彼女のセラピストが語った言葉。

 

「幸せのレシピは君の中にある」

 

 

しかし、日本語訳される前の英語は、

 

“It’s the recipe you create yourself that are the best.”

 

 

 

どうしてそんな日本語訳にしたのか、思い巡らしてしまいます。

 

 

 

そして映画の題名も、邦題は『幸せのレシピ』。

一方、原題は『No Reservations』。

 

思い切ったことをするなと感心させられます。

 

 

 

ちなみに、コピーライターの間で有名な「の」の法則がここでも使われています。

 

映画や本や音楽のタイトルについては、【「の」の法則】というものがある。これは「宮崎駿の監督した映画に関する法則で、スタジオジブリ作品で製作担当などを務めた奥田誠治が提唱した」とWikipediaには書いてある。

 

風の谷のナウシカ
崖の上のポニョ
となりのトトロ
借りぐらしのアリエッティ

 

こうすれば、いかにもタイトルらしくてヒットする、というのである。

 

前半の場所や時間を限定する意味合いの日本語と、後半のちょっと意味不明なカタカナ語を「の」で繋ぐことによって、人間はつい、その関係やつながりを求めてしまうのだ。そういえば、いくらでもある。

 

真夜中のギター
万延元年のフットボール
ふしぎの国のアリス
1973年のピンボール
時計じかけのオレンジ
裏切りのサーカス
英国王のスピーチ
世界にひとつのプレイブック
逆襲のシャア
夏のクラクション
冬のオペラグラス
僕らのユリイカ

 

なるほど、この調子でいくともはや

 

方南町のコロッケ

 

ですらかっこいい。私に大ヒットだ。4つ買ってひとつはすぐ食べる。

 

引用:『街角のクリエイティブ』より

http://www.machikado-creative.jp/planning/57261/

 

 

幸せのレシピ。かっこいいですね。

 

 

 

この映画の、姪、叔母、恋人の3人が何の血のつながりも無いのに家族のように仲良く街を歩くシーンがもう最高です。

 

まぁニューヨークですし。幸せのあり方を血の繋がった古典的家族像に矮小化することへのアンチテーゼも加えられているのでしょう。

 

そう考えると、「古典的家族=幸せ」「職業的成功者=幸せ」から目線を上げれば、自分自身が作ってきた「幸せのレシピ」が見えるでしょう、ということなのかなと思えてきます。

 

翻訳者、コピーライター、すごい仕事ですねぇ。

 

 

 

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以上、『幸せのレシピ』(No Reservations) のご紹介でした。