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TESOL(テソル)とは?
Teaching English to Speaker of Other Languages、「母語を英語としない人向けの英語教授法」の略称です。
英語の基本的な4技能(読む、書く、聞く、話す)の教え方、評価法、授業構成の立て方、教材についてなどを学びます。
このTESOLを学び、資格という形で残すにはCertificate(修了証)やMaster(大学院修士)など様々な方法があります。
TESOLは教授法の総称であり、TEFL(テフル)とTESL(テスル)の2つに分けられます。
TEFL(Teaching English as a Foreign Language)とは?
外国語としての英語教授法。
非英語圏(日本、韓国、中国、南米など)において外国語としての英語を教える方法です。
TESL(Teaching English as a Second Language)とは?
第二言語としての英語教授法。
英語が公用語・準公用語等として広く使われている国において、第二言語としての英語を教える方法です。
主に以下の2つのタイプに別れます。
- 他に主となる公用語がありながら英語も公用語・準公用語として認められている国(フィリピン、インドなど)で教える
- 英語が主な公用語でありながら他の言語も公用語として指定されている国(アメリカ、カナダなど)で教える
したがって、日本で日本語話者に英語を教える場合、TEFLが適していると言えるでしょう。
TEFLの資格はどうすれば取得できるか?
専門的な学位である博士や修士から、数週間で取得できるCertificate(サーティフィケート)に至るまで、様々な種類があります。
もちろんレベルが高い資格ほど就職や待遇の面で有利なのですが、一般的に英会話教師として就職時に求められることが多いのはサーティフィケート(100-120時間修了)です。
その取得には、オンライン(インターネット上で受講)と、インクラス(対面授業)の2種類があります。
では、その2つの違いは?
オンラインとインクラスの違い
簡単に言うと、オンラインは「安い・早い・楽」。
インクラスは「ネットワーク・現地慣れ・実習」。
それを詳しく説明してくれている、わかりやすいWEBサイトをご紹介します。
英語ですが、読むのに抵抗のない方は一度お読みください。
“Should I Get TEFL Certified Online or in a Classroom?”
https://www.gooverseas.com/blog/should-i-get-tefl-certified-online-or-in-a-classroom
以下に少し引用をしてみます。
An online TEFL certification course may be for you if you:
- Want something affordable
- Don’t know where you want to teach yet
- In country networking isn’t a priority
- Need flexibility with location and / or schedule
- Are looking to focus more on theory than hands on experience (i.e. if you’ve taught before, but other subjects)
An in-country / onsite TEFL certification course may be for you if:
- You already know where you want to teach
- Making connections and networking is important to you
- You need more hands-on practice teaching
- You can afford to front the initial costs of living abroad (which you may have to pay anyway)
- You can commit to taking the course full time
- You don’t need a flexible schedule
https://www.gooverseas.com/blog/should-i-get-tefl-certified-online-or-in-a-classroom
上記をおおまかに翻訳すると以下のとおりとなります。
オンラインが適している場合:
- 手頃な価格がいい
- どこの国で英語を教えるか未定
- 仲間同士のネットワークづくりは優先事項ではない
- 場所やスケジュールの自由度が高い方がいい
- 実践経験よりも理論に焦点を当てたい(何らかの科目を教えた経験があるなど)
インクラス(教えたい国の現地校)が適している場合:
- 教えたい国が決まっている
- ネットワークを作ることを大切にしたい
- 実践的な指導が必要
- 海外生活の初期費用を払うことができる
- フルタイムでの履修ができる
- スケジュールの調整は柔軟に行える
ということで、これから日本で教えようとされるのであれば、オンラインでも十分と言えるでしょう。就職時にTESOL資格を求められる場合にも、オンライン/インクラスどちらで取得したかを見られることはあまりないと言われています。
むしろ教授経験があるかどうかの方が大事であって、インクラスで時間をかけて資格を取得するよりも、オンラインでスキマ時間に勉強しつつ、アルバイトでもいいので実際に教える経験を積むという方がベターでしょう。
オンラインとインクラスの費用と時間
オンライン:3万円〜15万円程度、必要日数は自分次第(100-150時間)
インクラス:12万円〜30万円程度、8週間程度(100-150時間)
上記はあくまで目安です。どちらも世界中に数限りないクラスが開講されていますので、ピンからキリまであります。
ただし、考え方としては、教室の場所代や講師の人件費が削れる分、同じクオリティの授業ならオンラインの方が安く受けられるということは言えます。
ちなみに、インクラスの授業料は、カナダやオーストラリアなど物価の高い地域では高額になり、インドやフィリピンなどでは比較的安く抑えられる傾向にあります。
受講期間については、オンラインは決められた時間数を自分のペースでこなせば良いのに対し、インクラスはおよそ8週間(120時間コースの場合)で組まれることが多いようです。
まとめ
日本で教えるためにTESOL(TEFL)の資格をとりたい、ということならオンラインがオススメと言えるでしょう。
ましてや、本記事のタイトルにあるとおり、「安い方法」でということならなおさらですね。
一方、「友だちを作りたい」「海外に住んで楽しみながら学びたい」「とにかく対面がいい」という希望をお持ちの方はインクラスを選ばれたらいいと思います。
インクラスで授業料を安く抑えるのであれば、物価の安い国のクラスを探してみるのはひとつの手でしょう。
おまけ:英語の「質」の話
ところで、教授法とあわせて、自分の英語スキルも磨きたいという方は多いかと思います。しかし、英語の「質」という意味では、たとえばフィリピンと北米では、かなり異なります。「質が高い・低い」という意味ではなく、ただ「異なる」のです。種類が違う、と言ってもいいでしょう。
こちらの記事「カナダに来て、英会話が意外とできないことが分かった話」でも触れていますが、フィリピン人と9年間いっしょに働いてきたぼくが、意気揚々とカナダにやってきたものの、たまたまいっしょに暮らしたアメリカ人のルームメイトが何を言っているのかさっぱり分からなくてショックを受けたことがありました・・。
発音の仕方も、頻繁につかう語彙もかなり違うんですね。
たとえば、あいさつの時。
フィリピン「Hello!」
カナダ「Hey, how’s going?」
あるいは、「どういたしまして」と言う場合によく聞くのは・・。
フィリピン「You’re welcome.」
カナダ「No problem.」
しかし、これについては、Twitterでも少し触れたことがありますが、よく聞くのはこれ、でもみんな色々、というくらいの話です。
No problem をいちばんよく聞く気がしますが、でもたしかにトーン次第でみんな色々表現していますね。
末尾に名前やSir/Mam をつけるとポライトな感じになったり、名前をつけて言うと親しみを感じられたり。
年齢や地方によってもそれぞれでしょうし、おもしろいですね。 https://t.co/uYEBajXGyn— 山田拓路@多文化保育イニシアティブ (@takuji85) January 13, 2018
要するに、北米(カナダ・アメリカ)にいれば北米で、フィリピンにいればフィリピンで、それぞれ「よく使われてる気がする言い回し」が何なのかはわかるようになっていく、ということですね。
英語は世界に一つしかないわけではありません。どの英語を学びたいかは私たち次第ですが、「英語は英語だからどこでも学べる」というほど単純でもない。
ですから、英語力を伸ばしたいと思われている方は、単純に安くて人気の「フィリピン(セブ島/バギオ)留学」を選ぶだけでなく、例えば「カナダ(バンクーバー/トロント)に1〜6ヶ月の英語留学」をするという選択肢も考えてみられるのもいいかも知れません。
現地の語学学校に通うためには、なんの資格もいりませんし、事前に英語力をもっている必要さえありません。勇気とパッション(情熱)と、お金さえあれば・・。ちなみに、お金は、学費10万/月+生活費等15万/月の合計25万/月あれば十分かなというのが相場です。つまり、150万円の貯蓄があれば、半年はカナダ語学留学できるということですね。
ご参考までに、以下の記事を。カナダの語学留学の様子が少しお分りいただけるのではと思います。
語学留学をする前に、オンライン英会話を試しておくのもいいかもしれません。
たとえばDMM英会話にはカナダ人の講師も在籍するため、カナディアン英語に耳慣れしておくこともできます。
ひとまず無料体験をしても損はしないはず。
以上、英語教授法(TESOL/TEFL)資格を取得する安い方法についてのご紹介(と、英語の「質」の話)でした。