カナダ・トロントで6月24日に行われたLGBTQの祭典「Pride Toronto 2018」プライド・パレード。北米で最も大きなプライド・パレードの一つと言われています。
「自分が自分であることに誇りをもって、楽しもう!」そんな意味の込められた「Happy Pride!」を合言葉に、虹色の人たちがトロントの街を埋め尽くしました。
シリアスな人から、ひたすら陽気な人まで。みんなが同じ道を楽しみながら歩いた一日を、たくさんの写真と動画でレポートします。
スタート地点。
小雨がレインボーフラッグを濡らしていますが、熱気は冷めません。
準備万端。
車いすに乗ったおじいちゃんも。
街の若者たちも乗り気。
ゲイ・OK。みんなOK。
トランスジェンダーを表したフラッグをまとう人たちもたくさんいます。
グーグルマップも、パレードのルートを虹色で表してくれています。
#偏見をぶっ飛ばせ。
虹色の紙吹雪が舞います。
陽気です。動画でどうぞ。
ビルの上の方からレインボーネックレスを投げまくる人たち。
中国の人たち。民族的な多様性も楽しさをもたらしてくれます。
ぼくのボランティア先の仲間たちも、楽しく歩いています!
「私のいる場所をリスペクトしてください。私はあなたのをリスペクトしているんですから。それが私です。LGBTQ+です。」
エア・カナダ。シャツは来ていなくても、赤いスカーフはバッチリ。
航空会社のエア・カナダとなんの関係があるのかよくわからない、小林幸子的なおじさん。
YMCA。
カナダで有名なNPOのキッズヘルプフォン。
企業だけでなく、実に多くのNPO・NGOも楽しく街を練り歩きます。
ゲイのお父さんたちのコミュニティ。
リベラル政党も参戦。パレードには政治だって持ち込んじゃいます。
カトリック系の学校の先生たち。カトリックは同性婚禁止の立場をとっていますが、先生たちには教え子にLGBTQの子たちがもちろんいます。教え子を誇りに思うのは、先生として当たり前ですよね?
のどが渇いたなと思ったら、虹色コーラが配られます。行き届いたサービス。
図書館だって、みんなWelcome!
ラテン系カナダ人のコミュニティ。多様性の国カナダの人種は多様で楽しい。Hola!(スペイン語でハロー!)
いろんな国旗がひとつに繋がれて。
RBCはカナダのメガバンク。
普段はおカタイ銀行マンだって、ハッピープライド!!
イギリス国旗も虹色に。
アメイジング・タイランド。
タイの人の美しさがアメイジング。
美。
「タイの人半端ないって。そんなんできひんやん、普通」
じゃーん。
キリスト教のプレスビテリアンも、
アングリカン(英国国教会/聖公会)も。楽しく歩きます。
神「ねぇみんな、わたしはイチジクが嫌いって言っただけだよ」
(同性愛者の別称”fags”とイチジク”figs”をかけて。「同性愛者を嫌いって言ったわけじゃないんだ、勘違いしないで」)
シブいおじさん。
でも頭の上はアヒルの子だらけ。
ユナイテッド・チャーチも。
ユダヤ教徒も。宗教的多様性もトロントの特長です。
世界的NGOのアムネスティ・インターナショナル。難民を守ることに誇りを持っている、人権は私の誇りだ、と。
軍人さんたちもノリノリです。ベースがかっこいい。
トランペットもかっこいい。
後方にすごい竹馬みたいな人も。
鳥。
ワンコたちも。
フルーツから、
クッパまで。
救急隊は点滴をレインボーに染めちゃいました。
以下は、動画集です。楽しげな音楽と踊り。
隣のおじさんが「ええ声」と褒められていました。
最後に、このメッセージを。
「クイアとクリスチャンは矛盾しない」
クイアとは、性別を男女の2つに分けない、どの性でもありうるという性自認のことです。伝統的なキリスト教ではクイアや同性愛はタブーとされてきましたが、現在では多様な生き方が祝福されるようになってきています。この看板の表には「神さま、私をクイアにしてくれてありがとう」と書いてありました。ちなみにこの人はぼくの友人です。誇らしい!
ただ、パレードの最終盤、この友人は、クイアや同性愛者の存在を嫌うクリスチャンが掲げる反対の看板を目にしてしまい、「心が沈んでしまった」と言っていました。でも「そばに同じ気持ちの仲間がいてくれたから良かった」と。その共通の気持ちとは「そこにいて、愛の声となって、立ち上がることを恐れてはいけない」という思い。そして最後にこの友人はこう付け加えました。「クリスチャンとしてパレードに参加したのはお祭りのためだけじゃない。正義のためなんだ。」
このプライド・パレードはとても楽しいお祭りです。LGBTQの「問題」や「啓発」というとシリアスな聞こえ方がして引いてしまう人も少なくないかもしれません。それをこんなにも楽しく誇らしい「プライド・パレード」という文化として世界に広げてきた人たちの尽力にはただ敬意を表します。
誰かを排除し、差別し、自分たちだけが心地よい集団を保っているのは、ラクだけど、本当の楽しさではないかもしれない。なぜなら、多様であるというのは、飛び込んでみたらこんなにもめちゃくちゃで、何でもありで、自分まで解き放たれたような気持ちになれることだから。そして受け入れてもらえたような気持ちにもなる。ぼくは今日そう感じました。
そして、多様性は楽しさであると同時に、正義でもある。先述の友人の言葉からそう教えられたように思います。
世界中のみんなが多様性の中に生きることができれば。クイア・同性愛嫌悪のクリスチャンの人たちさえも含めて。互いの考え方は尊重しながら、でも排除や差別はやめようよ、と。
多様性は簡単ではないし、摩擦は起きる。でも、多様性は楽しさであり、正義であると信じる立場にぼくは立っていたいと思います。
ハッピープライド!
パレードは1年に1日だけのお祭りですが、多様性が祝福される日々は来年のこの日までずっと毎日続きますように。
以上、「Pride Toronto 2018」プライド・パレードのレポートでした。
下の記事は昨年のカナダ・バンクーバーで行われたプライド・パレードの記事です。よろしければお読みください。