「ここがおかしい、日本の移民政策」シンポジウム(上智大学)の記録メモ

2019年2月11日、「ここがおかしい、日本の移民政策」(上智大学)に参加しました。

当日のスライドはほぼ全て、こちらからダウンロードできます。

 

https://drive.google.com/drive/mobile/folders/1G8vxh1zXcnV34xS8Gk5pC8hGQk4GE7CD

 

高谷幸教授 @SachiTakaya のお話から。

会場から人があふれています。

中に入れない人もいるくらい。

関心の高さがうかがえます。

「出入国管理:入管は『社会の門番であるべきか」高谷幸先生

『1980年代 ニューカマーの増加

1990年代 日系人受入れ

あたりの歴史から。

・西欧移民制度のイメージを参照するかという議論。

・「デニズン」=永住市民としての権利

・単純労働者の受入れ

1.「単純」労働者の否定

→日系人など

2.「定住化」の拒否

→技能実習制度

  1. 90年代は地域レベルでの「デニズン」として対応進む

結果、2.へと収斂されていく』

「人材への投資なき政策の愚」樋口直人先生(徳島大学)

『日系4世ビザは、まだ現状3人しか使っていない。あのブラジルから。笑

なんの意味もない政策。

つまり政府は日系人を受け入れたくないということ。

リーマン・ショックの教訓。

・生活者としての日本語ばかりであって、労働で使える日本語ではなかった。

OECD各国では数百時間、デンマークに至っては最大2,000時間。

なぜそこから学ばないか?

政府の方針

・財政支出まではしたくない

・必要ならOJTか、ボランティアから学べ。

・自助努力で生き残った者だけを選別して残せばいい

【人材への投資なき政策の愚】

しかし、日本語学習への投資を初期に行って潜在能力を発揮してもらった方が合理的

「多民族・多国籍社会の『社会権』」奥貫妃文先生(相模女子大)

社会保障制度を受ける上で、国籍は選別条項となるか?

人権は国家が付与するものではなく、天賦のもの。

では、外国籍者に対して、どの程度の人権が保障され、あるいは制限されるのか?

社会権

・生存権

・教育権

・労働権

・労働基本権

生存権

→「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を…」

『国民』=日本国籍者ということではなく、広く意味を捉える場合もあり、議論がある。

「限られた国家予算」のなかで誰の生存権から優先して保障するか?

日本国籍者とされている。

外国籍者への生存権保障は「行政上のサービスにもとづく人道上の措置」に留まる。

国民年金法

国民健康保険法

?国民と言っているが国籍条項なし。(1980年代にどちらも撤廃された。難民条約批准により内外人平等の原則にのっとる改正)

?排除から義務へ

生活保護法

?国籍条項あり。(条文に「国民」の文言あり)

「外国につながる子どもたちの教育保障」榎井緑先生(大阪大学)

 

 

「ボランティアだけでなく、学校教育として子どもたちを教育することを提言したい」

ディスカッションおよび感想

可児市の不就学全戸調査を国が行う

樋口先生

「最善のローカルをナショナルな基準にするのが、現実的に可能な目標」

たとえば可児市の施策を国がパクり、全国に波及すればすごいインパクトになると思う。

 

外国人労働✖️ジェンダー

女性900円。

男性1150円から。

250円の差に加えて、昇給の有無。

仕事内容はほぼ同じ(ちょっと重いものを男性の方がよく持つかな、ぐらいだそう)

日本国内の広告だが日本語がない。

日本語で書いたら大問題になるだろう。

外国人幼児は保育園に入りづらい

「移住女性は日本人女性よりも公的なサービスを必要とする度合いが高い」

稲葉奈々子先生(上智大学)

にもかかわらず外国人幼児は保育園に入りづらい。

なぜか?

・保護者が日本語の保育利用案内を読めず保育園に繋がれない

・繋がっても、子ども自身が言葉の壁に阻まれ”不登園”になりやすい

こうした多文化共生、外国人、移民政策などに関する講演会やシンポジウム等の記録は、ツイッターでライブ配信しています。

 

 

ご関心のある方は、フォローしていただければ嬉しく思います。

@takuji85

 

以上、「ここがおかしい、日本の移民政策」のまとめでした。