寺西判事補戒告事件(最大決平10.12.1)|わかりやすい憲法判例|人権:公務員の人権(公務員の政治活動の自由)

判示事項

二 裁判官が「積極的に政治運動をすること」を禁止する裁判所法五二条一号は、憲法二一条一項に反するか? → 反しない

理由

「積極的に政治運動をすること」とは、組 織的、計画的又は継続的な政治上の活動を能動的に行う行為であって、裁判官の独 立及び中立・公正を害するおそれがあるものが、これに該当すると解され、具体的 行為の該当性を判断するに当たっては、その行為の内容、その行為の行われるに至った経緯、行われた場所等の客観的な事情のほか、その行為をした裁判官の意図等 の主観的な事情をも総合的に考慮して決するのが相当である。

 

そして、「積極的に政治運動をすること」 という文言が文面上不明確であるともいえないことは、前記1に示したところから 明らかである。したがって、裁判官が「積極的政治運動をすること」を禁止するこ とは、もとより憲法二一条一項に違反するものではない。

 

参照法条

裁判所法49条, 裁判所法52条1項, 憲法21条1項, 憲法82条1項, 裁判官分限法2条, 裁判官の分限事件手続規則7条, 非訟事件手続法6条, 非訟事件手続法13条, 民訴法55条, 民訴法148条, 刑訴法35条, 刑訴規則26条, 刑訴規則27条

 

裁判所サイト

要旨: http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=52233

全文: http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/233/052233_hanrei.pdf

 

ウィキペディア(Wikipedia

寺西和史

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%BA%E8%A5%BF%E5%92%8C%E5%8F%B2

 

2019年版出る順行政書士 合格基本書』

p.16 憲法 4〈人権〉公務員の人権